スーファミの高額ソフト、定価の10倍超えも|値上がりの理由を調べてみた

スーパーファミコンのプレミアソフトはなぜ高い?定価の10倍超えの理由を調べた 特集・まとめ
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子どもの頃に遊んだスーパーファミコンのソフトを再び手に入れようかと駿河屋で調べてみたら、一部のソフトがビックリするほど高額で販売されてました。発売された頃の定価は、どれも1本1万円前後。それなのに、箱と説明書がそろったものに10万円を超える値段が付いているソフトがいくつもあったのです。

そこで、高い値段が付いているソフトを中心に、2026年10月時点の駿河屋の販売価格と買取価格を集めてみました。あわせて、海外ではいくらで取引されているのかも調べています。

スーパーファミコンの高額ソフトの価格帯を示した図。箱説付きで10万円を超えるソフトがあり、同じソフトでもカセットのみと箱説付きで数倍から10倍以上の差がある
カセットだけか、箱と説明書がそろっているかで、値段は大きく変わる

前半では、調べて驚いた値段をそのまま紹介します。

後半では、なぜここまで高くなったのか、その背景もしらべて考察してみました。

この記事の価格について
価格は、2026年10月27日時点の駿河屋の中古販売価格です(『レンダリング・レンジャーR2』『マジカルポップン』『アンダーカバーコップス』『魔獣王』は10月28日時点)。出品の入れ替えで毎日のように変わります。
「発売時の定価」は、駿河屋の商品情報に載っている定価(今の消費税10%を含めた表示)を、税抜きの値段に直したものです。
「カセットのみ」は、箱と説明書が付いていない状態です「箱説付き」は、箱と説明書がそろっている状態です。箱が傷んでいるものや、説明書だけ欠けているものは含めていません。
買取価格は、2026年10月28日時点の駿河屋の買取価格です。駿河屋の減額基準では、箱や説明書が欠けていると大幅な減額になります。カセットだけを売る場合は、ここに書いた値段よりかなり安くなると考えてください「美品」は、駿河屋が状態のよいものに付けている、より高い買取価格です。

箱説付きで10万円超え。値段に驚いたソフト

まずは、箱説付きの値段が高かったソフトです。並べてみると、1994〜1995年に発売されたアクションゲームが目立ちました。発売時の定価と比べると、どれだけ値上がりしたかがよく分かります。

ソフト発売時の定価箱説付きの最安値
スパイダーマン リーサルフォーズ9,800円26万円
(定価の約27倍)
ワイルドガンズ9,200円約14.2万円
(定価の約15倍)
魔獣王10,800円12.8万円
(定価の約12倍)
奇々怪界 月夜草子9,500円約9.9万円
(定価の約10倍)
ファイナルファイト タフ9,980円約9.6万円
(定価の約10倍)
アンダーカバーコップス9,800円約9.1万円
(定価の約9倍)
定価は税抜き。箱説付きの最安値は、2026年10月27日(魔獣王・アンダーカバーコップスは28日)時点の駿河屋の販売価格

ファイナルファイト タフ(1995年・カプコン)

『ファイナルファイト タフ』のパッケージ
画像:駿河屋
  • 発売時の定価:9,980円(税抜き)
  • カセットのみ:約1.2万〜3.1万円
  • 箱説付き:約9.6万〜16.1万円
  • 買取価格:約8.0万円(美品は約9.4万円)

ファイナルファイトシリーズの3作目です。ステージの分岐や、CPUが2人目のプレイヤーを操作するモードが加わりました。駿河屋で見つけたいちばん高い出品は、約23.6万円でした。

奇々怪界 月夜草子(1994年・ナツメ)

『奇々怪界 月夜草子』のパッケージ
画像:駿河屋
  • 発売時の定価:9,500円(税抜き)
  • カセットのみ:約2.0万〜4.4万円
  • 箱説付き:約9.9万〜13.8万円
  • 買取価格:約7.0万円(美品は約8.4万円)

巫女の小夜ちゃんが妖怪と戦う、アクションシューティングの2作目です。シリーズの権利はタイトーにあり、スーパーファミコン版の2作はナツメが開発・発売しました。今回調べたソフトの中では、カセットだけの値段も高い部類です。

ワイルドガンズ(1994年・ナツメ)

『ワイルドガンズ』のパッケージ
画像:駿河屋
  • 発売時の定価:9,200円(税抜き)
  • カセットのみ:約3.7万円(出品は1点)
  • 箱説付き:約14.2万〜21.8万円
  • 買取価格:約7.8万円(美品は約9.3万円)

西部劇とSFを組み合わせた世界観のガンシューティングです。箱説付きの出品は、どれも14万円を超えていました。Nintendo Switch Onlineで配信されていて、2016年にはリメイク版も出ています。遊ぶ手段があっても、当時のカセットの値段は高いままです。

スパイダーマン リーサルフォーズ(1995年・エポック社)

『スパイダーマン リーサルフォーズ』のパッケージ
画像:駿河屋
  • 発売時の定価:9,800円(税抜き)
  • カセットのみ:約2.5万〜2.6万円
  • 箱説付き:26万円(出品は1点)
  • 買取価格:約13.5万円(美品は約16.2万円)

日本だけで発売された、マーベルのスパイダーマンのアクションゲームです。駿河屋の出品は全部で4点しかありませんでした。海外では、英語に作り替えた非正規のカセットも出回っています。

レンダリング・レンジャーR2(1995年・ヴァージン)

『レンダリング・レンジャーR2』のパッケージ
画像:駿河屋
  • 発売時の定価:10,800円(税抜き)
  • カセットのみ:97,200円(出品は1点)
  • 箱説付き:出品なし
  • 買取価格:約29.0万円(美品は約34.6万円)

アクションゲーム『Turrican』で知られるManfred Trenzが手がけた、横スクロールのアクションシューティングです。駿河屋の出品は、箱と説明書のないカセットが1点だけ。それでも約9.7万円でした。

もともとは欧米で『Targa』として発売される予定でしたが、結局は日本だけで発売されました。2025年に今の機種向けの復刻版を出したZiggurat Interactiveは、当時の販売本数を約1万本と見積もっています。今回調べたソフトの中で、出回った数の目安が分かったのはこの1本だけです。

マジカルポップン(1995年・パック・イン・ビデオ)

『マジカルポップン』のパッケージ
画像:駿河屋
  • 発売時の定価:9,800円(税抜き)
  • カセットのみ:約6.8万〜6.9万円
  • 箱説付き:傷みのないものは出品なし(箱や説明書に傷みがあるもので24.8万〜56.0万円)
  • 買取価格:50万円

飯島愛さんが声を担当したことでも知られる、横スクロールのアクションゲームです。駿河屋の買取価格は50万円で、今回調べたソフトの中でいちばん高い値段でした。定価の50倍以上です。出品は5点だけで、箱と説明書がそろって傷みのないものはありませんでした。

ほかにも高かったソフト

ソフト販売価格買取価格
『ポコニャン!へんぽこりんアドベンチャー』のパッケージ
ポコニャン!へんぽこりんアドベンチャー
1994年・東宝
カセットのみ
約1.2万〜2.0万円
箱説付き
出品なし
(説明書欠けは14.4万円)
約29.0万円
(美品 約33.4万円)
『ゴーストチェイサー電精』のパッケージ
ゴーストチェイサー電精
1994年・バンプレスト
カセットのみ
約1.3万〜3.0万円
箱説付き
約6.7万〜9.5万円
約5.1万円
(美品 約6.0万円)
『ファイアーエムブレム トラキア776』のパッケージ
ファイアーエムブレム トラキア776
2000年・任天堂
カセットのみ
約2.6万円
箱説付き
約5.4万〜9.8万円
約4.5万円
(美品 約5.4万円)
『アンダーカバーコップス』のパッケージ
アンダーカバーコップス
1995年・バリエ
カセットのみ
約7.0万円
箱説付き
約9.1万〜12.2万円
6.5万円
(美品 7.8万円)
『魔獣王』のパッケージ
魔獣王
1995年・KSS
カセットのみ
約3.1万〜3.3万円
箱説付き
12.8万〜約16.7万円
9.5万円
(美品 約11.2万円)
販売価格は2026年10月27日(アンダーカバーコップス・魔獣王は28日)、買取価格は10月28日時点の駿河屋の価格。買取価格は箱と説明書がそろった状態の値段です(パッケージ画像:駿河屋)

『ポコニャン!』は、藤子・F・不二雄原作のアニメのゲームです。駿河屋の出品は5点しかなく、箱と説明書がそろったものは1点もありませんでした。その一方で、買取価格は約29.0万円でした。

『魔獣王』は、2021年に現代ビジネスが掲載したスーパーファミコンソフトの高額買取ランキングで3位に入っていたソフトです。2018年と2025年にはスーパーファミコン用の復刻カセットも発売されていますが、1995年版の箱説付きは今も12.8万円からでした。

『トラキア776』は、まず1999年にニンテンドウパワー(店頭でソフトを書き込むサービス)で配信され、2000年1月に通常のカセット版が出ました。スーパーファミコンの最末期に発売されたソフトの1本です。

箱と説明書があるだけで、値段が6〜13倍に

もうひとつ驚いたのが、同じソフトでも状態によって値段がまったく違うことです。カセットだけなら数千円なのに、箱説付きになると5万円前後になるソフトがありました。

す〜ぱ〜忍者くん、ザ・グレイトバトルV、ソニックブラストマンII、バックス・バニー はちゃめちゃ大冒険の4本について、カセットのみと箱説付きの価格を並べた棒グラフ。どのソフトも箱説付きはカセットのみの数倍から10倍ほど
カセットのみと箱説付きの価格差(2026年10月27日時点・駿河屋)
ソフト販売価格買取価格
『す〜ぱ〜忍者くん』のパッケージ
す〜ぱ〜忍者くん
1994年・ジャレコ
カセットのみ
約3,600〜7,800円
箱説付き
約4.7万〜5.5万円
約3.1万円
(美品 約3.5万円)
『ザ・グレイトバトルV』のパッケージ
ザ・グレイトバトルV
1995年・バンプレスト
カセットのみ
約5,700〜1.1万円
箱説付き
約6.5万円
約3.4万円
(美品 約3.9万円)
『ソニックブラストマンII』のパッケージ
ソニックブラストマンII
1994年・タイトー
カセットのみ
約5,700〜8,100円
箱説付き
約6.8万〜9.6万円
約4.9万円
(美品 約5.8万円)
『バックス・バニー はちゃめちゃ大冒険』のパッケージ
バックス・バニー はちゃめちゃ大冒険
1994年・サンソフト
カセットのみ
約5,700〜1.1万円
箱説付き
約3.4万〜6.1万円
約3.3万円
(美品 約4.0万円)
販売価格は2026年10月27日、買取価格は10月28日時点の駿河屋の価格。買取価格は箱と説明書がそろった状態の値段です(パッケージ画像:駿河屋)

買取価格を見ても、差ははっきりしています。『す〜ぱ〜忍者くん』は、カセットだけなら3,600円ほどで買えるのに、箱説付きの買取価格は約3.1万円でした。なぜここまで差が付くのかは、後半で考えます。

海外では、カセットだけでも日本の数倍の値段

スーパーファミコンは、海外では「スーパーニンテンドー(SNES)」として発売されていました。同じソフトの北米版の相場も、海外の相場サイトPriceChartingで調べてみました。

『鋼 HAGANE』のパッケージ
日本版の『鋼 HAGANE』(画像:駿河屋)

いちばん差が大きかったのは、ハドソンの忍者アクション『鋼 HAGANE』です。日本版は、カセットのみなら駿河屋で約7,100円から。北米版は、カセットのみで約13.1万円でした。

カセットのみで比べると

ソフト日本版北米版
鋼 HAGANE
Hagane
約7,100〜1.3万円約13.1万円
奇々怪界 月夜草子
Pocky & Rocky 2
約2.0万〜4.4万円約7.8万〜8.6万円
悪魔城ドラキュラXX
Castlevania: Dracula X
約5,100〜2.3万円約5.0万〜5.3万円
キャプテンコマンドー
Captain Commando
約6,000〜8,800円約3.0万円
デモンズ・ブレイゾン
Demon’s Crest
約6,600〜1.1万円約2.9万円
ワイルドガンズ
Wild Guns
約3.7万円約4.7万円
ファイナルファイト タフ
Final Fight 3
約1.2万〜3.1万円約3.1万円
カセットのみの価格。日本版は駿河屋の販売価格(2026年10月27日時点)、北米版はPriceChartingの相場(2026年10月28日時点、1ドル=158円で換算)

カセットのみでは、7本すべてで北米版のほうが高くなっていました。

箱説付きで比べると

ソフト日本版北米版
鋼 HAGANE
Hagane
約4.9万〜5.7万円約40.8万円
奇々怪界 月夜草子
Pocky & Rocky 2
約9.9万〜13.8万円約23.6万円
悪魔城ドラキュラXX
Castlevania: Dracula X
約2.4万〜4.1万円約17.4万〜21.5万円
キャプテンコマンドー
Captain Commando
約3.6万〜7.3万円約15.2万円
デモンズ・ブレイゾン
Demon’s Crest
約4.7万〜6.9万円約7.3万円
ワイルドガンズ
Wild Guns
約14.2万〜21.8万円約14.9万円
ファイナルファイト タフ
Final Fight 3
約9.6万〜16.1万円約8.4万円
箱説付きの価格。太字は日本版のほうが高いソフト

ところが箱説付きになると、話が変わります。『ファイナルファイト タフ』は、日本版のほうが高い値段でした。『ワイルドガンズ』も、日本版の最安値と北米版の相場がほぼ同じです。箱と説明書がそろった日本版は、海外の人にとっても簡単には手に入らないものになっているのかもしれません。

北米版の相場が日本版の最安値の何倍かを7本で比べた棒グラフ。カセットのみでは鋼 HAGANEが約18.5倍、悪魔城ドラキュラXXが約10倍。箱説付きではワイルドガンズが約1.0倍、ファイナルファイト タフが約0.9倍
北米版の相場は、日本版の最安値の何倍か。1倍を下回ると日本版のほうが高い

駿河屋の価格は「お店の売値」、PriceChartingの相場は「実際に売れた値段」です。種類の違う値段なので、倍率はおおよその目安として見てください。

大ヒット作は、今も数百円から買える

反対に、当時みんなが遊んだ大ヒット作は、今も手ごろな値段で買えます。

ソフト販売価格買取価格
スーパーマリオワールド260円〜6,930円2,500円
スーパードンキーコング310円〜2,630円表示なし※
ドラゴンクエストV 天空の花嫁310円〜4,140円表示なし※
クロノ・トリガー640円〜7,007円2,200円
販売価格は2026年10月27日時点(状態を問わない全出品の範囲)、買取価格は10月28日時点の駿河屋の価格。※買取価格がページに表示されず、申し込み後にメールで案内される商品

名作かどうかと、今の値段は別の話のようです。では、高いソフトと安いソフトは何が違うのでしょうか。

なぜここまで高くなったのか。背景を考えてみた

ここからは後半です。高いソフトと安いソフトの違いを、資料をもとに考えてみました。

中古ソフトの値段は、ざっくり言えば「出回っている数の少なさ」と「欲しい人の多さ」で決まります。どちらか片方だけでは、ここまで高くはなりません。そして、箱と説明書がそろっているかどうかが、その値段をさらに何倍にもします。

高いソフトの多くは、スーファミの「末期」に出ていた

高かったソフトの発売日を並べると、1994年から1995年に集中していました。ちょうど、次の世代のゲーム機が出そろった時期です。

時期できごと
1990年11月スーパーファミコン発売
1994年3月ソニックブラストマンII
1994年6月奇々怪界 月夜草子
1994年8月ワイルドガンズ
1994年9月ゴーストチェイサー電精
1994年11月22日セガサターン発売
1994年12月3日プレイステーション発売
1994年12月ポコニャン!へんぽこりんアドベンチャー
1995年3月アンダーカバーコップス、マジカルポップン、スパイダーマン リーサルフォーズ
1995年8月魔獣王
1995年11月レンダリング・レンジャーR2
1995年12月ファイナルファイト タフ
1996年6月NINTENDO64発売
2000年1月ファイアーエムブレム トラキア776
太字はゲーム機の発売。ソフトの発売月は駿河屋の商品情報などによる

スーパーファミコンのソフトの発売数は、ファンサイトの集計で1994年が370本、1995年が360本でした。それが1996年には152本まで減っています。ゲームの話題の中心が、新しいゲーム機へ移っていった時期です。

カセットは、あとから簡単には増やせなかった

もうひとつ関係していそうなのが、カセットの作り方です。ファミコンの頃からのソフトの流通を調べた研究によると、ROMカセットは作るのに2か月ほどかかりました。そのためメーカーは、発売の3か月前までに問屋からの注文をまとめ、それをもとに任天堂へ生産を頼んでいたそうです。スーパーファミコンのソフトも、同じROMカセットでした。

発売後に人気が出ても、追加で作るには2か月以上かかることもありました。プレイステーションのCD-ROMは、数日から10日ほどで追加生産できたとされています。カセットのソフトは、発売後に人気が出ても、すぐには数を増やせなかったわけです。

ここからは私の推測です。新しいゲーム機に注目が移っていく中で、大ヒットが見込めないスーパーファミコンのソフトは、問屋やお店も多くは注文しなかったのではないでしょうか。最初に作られた数が少なく、あとから増えることもなかった。それが、今出回っている数の少なさにつながっていると考えられます。ただし、今回のソフトの出荷本数を示す資料は見つけられませんでした。

同じ時期でも、『スーパードンキーコング』(1994年11月)や『クロノ・トリガー』(1995年3月)は今も数千円以下で買えます。大ヒットが見込まれて大量に作られたソフトは、末期の発売でも安いままです。

今も出回っている数は、けた違いに少ない

出荷本数の代わりに、駿河屋に今出品されている数を比べてみました。大ヒット作は60〜120点ほどあるのに対し、高額ソフトは多くても30点ほど。スパイダーマンは4点、レンダリング・レンジャーR2は1点しかありませんでした。

販売本数の目安が分かったのは、前半で紹介したレンダリング・レンジャーR2の約1万本だけです。大ヒット作は数百万本売れたとされるので、けたが2つ以上違います。

駿河屋に出品されている数を比べた棒グラフ。大ヒット作はスーパーマリオワールド123点、ドラゴンクエストV84点、スーパードンキーコング81点、クロノ・トリガー60点。高額ソフトはファイナルファイト タフ28点、奇々怪界 月夜草子27点、ワイルドガンズ11点、マジカルポップン5点、ポコニャン!5点、スパイダーマン4点、レンダリング・レンジャーR2 1点
駿河屋の出品数(2026年10月28日時点)。今の在庫の数で、発売当時の出荷本数ではありません

作る側の技術が、いちばん成熟していた時期

では、なぜ欲しい人が多いのか。理由のひとつは、ゲームそのものの出来だと考えています。

スーパーファミコンは独特の作りのゲーム機で、海外のゲーム機解説サイトでは、発売当初はメーカー各社のソフトが性能を引き出せていなかったと紹介されています。それが年を追うごとに、見ごたえのあるソフトが増えていきました。1994〜1995年は、発売から4〜5年がたち、作る側がこのゲーム機の扱いに慣れてきた時期と言えます。

高額ソフトのうち『奇々怪界 月夜草子』と『ワイルドガンズ』は、どちらもナツメが手がけました。ナツメは1992年に『奇々怪界 謎の黒マント』を出しており、月夜草子はその2年後の作品です。当時のスタッフはのちに『ワイルドガンズ』を自らリメイクし(2016年)、『謎の黒マント』の続編も作りました(2022年)。その続編は、海外版を含めて10万本を超えています。当時の作り手が今も作り続けていて、それを買う人がいるということです。

しかも、こうした値段は最近になって急に付いたものではありません。2021年に現代ビジネスが掲載したスーパーファミコンソフトの高額買取ランキングでも、『奇々怪界 月夜草子』が2位、『ワイルドガンズ』が4位に入っていました。

海外のファンと、キャラクターのファンも欲しがっている

  • 海外のファン:前半で見たとおり、北米版はカセットのみでも日本版の数倍の値段です。高額ソフトにはアクションやシューティングが多く、日本語が読めなくても遊べます。北米版より安い日本版を選ぶ海外の人もいると考えられます
  • 日本に来る海外の人:東京・秋葉原のレトロゲーム専門店の店長は、入国制限がゆるんだ2022年10月から海外の客が一気に増え、円安もあって海外の客が日本の客を上回る日も出てきたと話しています。その多くは、説明書や付属品がそろった物を探すコレクターだそうです。1つの店の話ですが、箱説付きを欲しがる人が国内の客だけではないことが分かります
  • キャラクターのファン:『スパイダーマン リーサルフォーズ』はマーベル、『ポコニャン!』は藤子・F・不二雄の作品です。どちらも日本だけで発売され、今の機種への復刻もありません。ゲームのファンに加えて、キャラクターのグッズを集める人も欲しがるソフトです

意外だったのは、今の機種で遊べるソフトでも値段が高かったことです。『ファイナルファイト タフ』はWiiなどのバーチャルコンソールで、『ワイルドガンズ』と『デモンズ・ブレイゾン』はNintendo Switch Onlineで配信されています。『悪魔城ドラキュラXX』も、2021年の『Castlevania Advance Collection』に収録されました。遊ぶだけなら手段があるのに高いということは、当時のカセットそのものがコレクションの対象になっていると考えるのが自然です。

箱と説明書は、値段を何倍にもする「倍率」

前半で見た「箱と説明書があるだけで6〜13倍」は、それ自体が値上がりの理由ではありません。『スーパーマリオワールド』は箱説付きでも数千円です。もともと数が少なく欲しい人が多いソフトだからこそ、箱説付きが何倍にもなります。

スーパーファミコンのソフトは、紙の箱に入っていました。子どもが遊んでいるうちに箱がつぶれたり、捨ててしまったりしたソフトも多かったはずです。もともと少ない本数の中で、箱と説明書まで残っているものはさらに少ない。この重なりが、箱説付きの値段を押し上げていると考えられます。

条件が1つだけでは、高くならない

反対に、条件の一部しかそろっていないソフトは高くなっていませんでした。

  • 超原人2(1995年):末期の発売で、日本だけの発売、移植もなし。それでも駿河屋には39点の出品があり、安いものは1,000円以下で買えます
  • エナジーブレイカー(1996年):さらに後の発売で、日本だけの発売、移植もなし。それでも箱説付きで2万円前後です
  • スーパーマリオワールド(1990年):誰もが知る名作ですが、出品は123点。数百円から買えます

まとめると、高いソフトの多くには「末期の発売で数が少ない」「出来がよく、今もファンがいる」「海外やキャラクターのファンも欲しがる」が重なっていました。そこに「箱と説明書がそろっている」が加わると、10万円を超えるような値段になっています。ただし、どの理由がどれだけ効いているかはソフトごとに違い、今回調べた資料だけでは決められません。

これから値上がりしそうなソフトはあるか

ここからは、調べた結果をもとにした私の考えです。値段の予想であって、値上がりを約束するものではありません。

背景から考えると、注目したいのは「末期に発売された」「日本でしか発売されていない」「今の機種で遊べない」がそろっていて、箱説付きがまだ安いソフトです。ただ、反例で見たとおり、これだけで高くなるとは限りません。欲しい人が増えるきっかけがあるかどうかが分かれ目になりそうです。調べた中では、次のソフトが当てはまりました。

ソフト販売価格買取価格
『南国少年パプワくん』のパッケージ
南国少年パプワくん
1994年・エニックス
カセットのみ
約440〜620円
箱説付き
約6,900〜1.2万円
5,800円
『ミッキーの東京ディズニーランド大冒険』のパッケージ
ミッキーの東京ディズニーランド大冒険
1994年・トミー
カセットのみ
約500〜1,100円
箱説付き
約3,300円〜
3,400円
『超原人2』のパッケージ
超原人2
1995年・ハドソン
全出品
約970〜6,900円
3,200円
『エナジーブレイカー』のパッケージ
エナジーブレイカー
1996年・タイトー
カセットのみ
約1.0万〜2.2万円
箱説付き
約1.9万〜2.4万円
約1.1万円
(美品 約1.3万円)
販売価格は2026年10月27日、買取価格は10月28日時点の駿河屋の価格。買取価格は箱と説明書がそろった状態の値段です(パッケージ画像:駿河屋)
  • 南国少年パプワくん:アニメのゲームで、パンチやスライディングで進むアクション。カセットのみと箱説付きの差は、今回調べた中でいちばん大きい15倍ほどです
  • ミッキーの東京ディズニーランド大冒険:東京ディズニーランドが舞台の、日本だけで発売されたアクション。風船を使って進む、ほかのミッキーのゲームとは違う遊び方です
  • 超原人2:PCエンジンの『PC原人』から続くシリーズで、海外では発売されていません。高額になっていないのは、日本版の代わりに買われる海外版がないためかもしれません
  • エナジーブレイカー:『トライガン』の内藤泰弘がキャラクターデザインを担当したシミュレーションRPG。移植や配信は確認できませんでした。カセットのみと箱説付きの値段の差が小さいのが特徴です

では、今の機種での復刻や再販が出たら値段は下がるのかというと、そうとも限りません。『す〜ぱ〜忍者くん』は2023年にSwitchなどの『Ninja JaJaMaru: Retro Collection』に収録されましたが、箱説付きは今も4.7万円以上です。『魔獣王』も復刻カセットが出たあとで、1995年版の箱説付きは12.8万円からでした。遊ぶ手段が増えても、当時のカセットを欲しい人は残るようです。2026年3月には、海外版のスパイダーマンのゲームなどを収めた『Marvel MaXimum Collection』も発売されています。

買う前に気をつけたい、再販品と非正規品

値段の高いソフトほど、当時のカセットではないものが混ざっているようです。

2017年に発売された『アイアンコマンドー 鋼鉄の戦士』の再販カセットのパッケージ
2017年発売の『アイアンコマンドー』再販カセット(画像:駿河屋)
  • アイアンコマンドー 鋼鉄の戦士:1995年のオリジナル版のほかに、2017年に再販のカセットが発売されています。駿河屋では再販版が約7,700〜1.7万円、オリジナル版は箱に傷みのある1点が8.6万円以上でした。買取価格も、再販版は5,300円、オリジナル版は約8.6万円(美品は約10.2万円)と大きく違います
  • 魔獣王:1995年のオリジナル版のほかに、2018年と2025年(30周年の限定版)にコロンバスサークルから復刻カセットが発売されています。買取価格は1995年版の値段です
  • スパイダーマン リーサルフォーズ:英語に作り替えた非正規のカセットが、海外で出回っています
  • キャプテンコマンドー:海外では、30ドル前後の非正規の新品カセットが売られています

偽物にも注意が必要です。2023年の読売新聞の英字紙の記事では、中古ゲーム店のスタッフが「最近は精巧な偽物が持ち込まれるようになった」と話しています。フリマアプリや海外の通販で買うときは、商品の説明と写真をよく確かめてください。

子どもの頃に遊んだソフトが、押し入れの奥に箱ごと残っている家もあるかもしれません。売ることを考えるなら、まず箱と説明書がそろっているか、当時のカセットか再販品かを確かめてみてください。それだけで、値段は大きく変わります。

まとめ:売らずに取っておけばよかった..!

高校生くらいの時はもうスーパーファミコンのソフトは下火で中古ショップでもワゴンセール状態でした。それが今では一部が10万円を超えるなんて、当時では想像もできなかったですね。。

高くなっていたのは、スーファミの末期に出て数が少なく、今もファンがいて、海外の人にも欲しがられているソフトでした。一方で、大ヒット作は今も数百円から買えます。どのソフトでも高くなってるわけではないのもおもしろい現象です。

それでも、調べながら何度も思ったのは「あのとき売らずに取っておけばよかった」ということです。(ああ、奇々怪界売らなければよかった。。)
私と同じ世代は遊び終わったソフトを中古店に売ったり、箱を捨ててしまったりした人だらけなのではないでしょうか。

もし押し入れの奥に、箱ごと残っているソフトがあればお宝かもしれませんね。

価格の調べ方
  • 日本版の価格は、2026年10月27日時点の駿河屋の中古販売価格です。各ソフトの出品一覧に表示される状態表記で、「カセットのみ」(箱・説明書欠け、カセットのみ)と「箱説付き」(状態表記に欠品の記載がないもの)に分けています。出品数が多いソフトは、一覧に最初に表示される出品から範囲を出しています。
  • 買取価格は、2026年10月28日時点で駿河屋の各ソフトの買取ページに表示された値段です。状態の区分は駿河屋の表示(通常・美品)に合わせています。表示がなく、申し込み後にメールで案内されるソフトは「表示なし」としました。
  • 北米版の価格は、PriceChartingに表示された2026年10月28日時点の相場です。eBayなどで実際に売れた値段をもとにした数値で、1ドル=158円(2026年10月7日の為替相場)で円に換算しています。
  • 発売時の定価は、駿河屋の商品情報の定価(消費税10%を含めた表示)を1.1で割って税抜きに直した値です。
  • 出品数は、2026年10月28日時点で駿河屋の各ソフトの出品一覧に表示された数です(状態を問わない)
  • 『悪魔城ドラキュラXX』と『奇々怪界 月夜草子』の北米版は、PriceChartingのページによって数値に差があったため、範囲で示しています。
出典
この記事を書いた人
ハチゼロ

1980年生まれ。ビックリマン、カードダス、ミニ四駆、BB戦士、聖闘士星矢、魔神英雄伝ワタル、PCエンジンなど80年〜90年前半くらいのアニメ、おもちゃ、ゲームといったレトロなカルチャーが大好きなノスタルジスト。

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