悪魔城ドラキュラ、ファミコンの初代は物語の「途中」だった|約940年の主人公の血筋

悪魔城ドラキュラシリーズ年表 特集・まとめ
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2026年10月15日、悪魔城ドラキュラシリーズの最新作『Castlevania: Belmont’s Curse(キャッスルヴァニア ベルモンドカース)』が発売されました。主人公のローズ・ベルモンドは、1989年の『悪魔城伝説』の主人公の娘です。

このニュースで気になったのが、「娘」という設定です。どうやらこのシリーズの主人公たちは、多くが代々続く同じ一族らしいとのこと。

ディスクシステムで出ていた初代の悪魔城ドラキュラと続編の悪魔城ドラキュラⅡはかなり遊んだ作品でした(Ⅱの夜が怖かった)。そんな昔の作品とその後リリースされてきた作品達が繋がっている事なんて知らなかったので、改めてちょっと調べてみました。

歴代の作品を物語の中の年代順に並べ直すと、舞台は11世紀から2036年の日本まで、約940年に及んでいました。そして作品同士のつながりも、想像していたよりずっと壮大でした。

先に知っておくと読みやすい3つのこと

  1. 主人公の多くは「ベルモンド一族」:代々ドラキュラと戦ってきたヴァンパイアハンターの家系です
  2. ドラキュラは約100年ごとに蘇るとされる:そのたびに一族の別の世代が戦うため、作品ごとに主人公が替わり、時代も数百年単位で動きます
  3. 発売順と物語の年代順がまったく違う:2026年の最新作は15世紀、2003年のゲームボーイアドバンス作品は2035年の日本が舞台です

ファミコンの初代は、物語の「途中」だった

1986年にファミコン ディスクシステムで発売された初代『悪魔城ドラキュラ』。鞭を手に悪魔城へ乗り込む主人公、シモン・ベルモンドの戦いは、作中では1691年の出来事です。

その後に作られた作品には、初代より前の時代を舞台にしたものが6本あります。物語の始まりは1094年。初代の前に、約600年分の物語があったことになります。

作中の年代を1094年から2036年までの帯で示した図。初代『悪魔城ドラキュラ』は1691年で、それより前の時代を描く作品が6本、後の時代を描く作品が11本ある
初代は、作中の年代では物語の途中にあたる

全20作を発売順に並べてみる

シリーズ20作品を発売順に並べ、それぞれの物語の年代を添えました。対象は、ベルモンド一族やドラキュラとの戦いを描いたオリジナル作品です。移植・リメイク作品、別の世界設定で作られた「ロード オブ シャドウ」系の3作、対戦・パズルなどの派生作品は含めていません。

発売年作中の年代作品(機種)/主人公
1986年1691年『悪魔城ドラキュラ』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ(FCディスク)
主人公:シモン・ベルモンド
1987年1698年『ドラキュラII 呪いの封印』のパッケージ
ドラキュラII 呪いの封印(FCディスク)
主人公:シモン・ベルモンド
1989年1576年『ドラキュラ伝説』のパッケージ
ドラキュラ伝説(GB)
主人公:クリストファー・ベルモンド
1989年1476年『悪魔城伝説』のパッケージ
悪魔城伝説(FC)
主人公:ラルフ・C・ベルモンド
1991年1591年『ドラキュラ伝説II』のパッケージ
ドラキュラ伝説II(GB)
主人公:クリストファー・ベルモンド
1993年1792年『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』のパッケージ
悪魔城ドラキュラX 血の輪廻(PCエンジン)
主人公:リヒター・ベルモンド
1994年1917年『バンパイアキラー』のパッケージ
バンパイアキラー(MD)
主人公:ジョニー・モリス/エリック・リカード
1997年1797年『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』のパッケージ
悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲(PS)
主人公:アルカード
1997年不明『悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲(GB)
主人公:ソニア・ベルモンド
1999年19世紀中期『悪魔城ドラキュラ黙示録』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ黙示録(N64)
主人公:ラインハルト・シュナイダー/キャリー・ヴェルナンデス
1999年19世紀中期『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 LEGEND OF CORNELL』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 LEGEND OF CORNELL(N64)
主人公:コーネル
2001年1830年『悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon(GBA)
主人公:ネイサン・グレーブズ
2002年1748年『Castlevania 白夜の協奏曲』のパッケージ
Castlevania 白夜の協奏曲(GBA)
主人公:ジュスト・ベルモンド
2003年2035年『Castlevania 暁月の円舞曲』のパッケージ
Castlevania 暁月の円舞曲(GBA)
主人公:来須蒼真
2003年1094年『Castlevania』のパッケージ
Castlevania(PS2)
主人公:レオン・ベルモンド
2005年2036年『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架(DS)
主人公:来須蒼真
2005年1479年『悪魔城ドラキュラ 闇の呪印』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ 闇の呪印(PS2)
主人公:ヘクター
2006年1944年『悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス(DS)
主人公:ジョナサン・モリス/シャーロット・オーリン
2008年19世紀『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』のパッケージ
悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印(DS)
主人公:シャノア
2026年1499年『Castlevania: Belmont's Curse』のパッケージ
Castlevania: Belmont’s Curse(PS5ほか)
主人公:ローズ・ベルモンド
パッケージ画像:© Konami Digital Entertainment

発売順で見ると、作中の年代の列が大きく行ったり来たりしているのが分かります。初代の3年後、1989年に出た2作は、どちらも初代より前の時代の物語でした。

作中の年代の多くは、KONAMI公式のあらすじと、かつての公式年表をもとにしたファン資料によるものです。年代の根拠と、資料によって異なる点は記事の最後にまとめています。

主人公たちが振るう鞭は、受け継がれてきた同じ1本

シリーズを遊んだ人なら、鞭で戦う主人公を覚えているはずです。この鞭には「ヴァンパイアキラー」という名前があり、設定上は代々受け継がれてきた同じ1本です。

鞭の誕生に関わるのは、1094年を描くPS2『Castlevania』の主人公。以後、ベルモンド一族が受け継ぎ、20世紀には一族の血を引く別の家へ渡ります。そして1999年、鞭は再びベルモンド家の手に戻り、ドラキュラは完全に滅ぼされます。この1999年の戦いは、ゲームでは描かれていない、後の作品で語られる出来事です。

鞭が受け継がれる流れを作中の年代順に示した図。1094年のPS2『Castlevania』で鞭が生まれ、悪魔城伝説、ベルモンドカース、初代悪魔城ドラキュラ、血の輪廻を経て、1917年のバンパイアキラーと1944年のギャラリー オブ ラビリンスでは別の家へ渡り、1999年にベルモンド家へ戻る
受け継がれてきた鞭「ヴァンパイアキラー」(主な作品のみ)

ファミコン『悪魔城伝説』と2026年の最新作、主人公は親子

1989年のファミコン『悪魔城伝説』の主人公は、ラルフ・C・ベルモンド(海外版での名前はトレバー・ベルモンド)。最新作『ベルモンドカース』の主人公ローズは、その娘です。

発売は37年離れていますが、作中では父の戦いから23年後の物語です。間にある2005年のPS2『悪魔城ドラキュラ 闇の呪印』は『悪魔城伝説』の3年後が舞台で、主人公は別の人物ですが、父ラルフも登場します。

1476年の悪魔城伝説で父が主人公、3年後の闇の呪印に父も登場、さらに20年後の1499年のベルモンドカースで娘が主人公になる流れを示した図
発売は37年差、作中では23年差の親子の物語

PS『月下の夜想曲』の主人公は、ファミコン時代の「仲間」だった

1997年のPS『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』の主人公アルカードは、ドラキュラの息子です。

実はファミコン『悪魔城伝説』にも登場しています。父に背いたドラキュラの息子として、主人公の仲間になるキャラクターの1人でした。『月下の夜想曲』は、その戦いから約320年後、眠りから目覚めたアルカードが主人公になる物語です。

さらに約240年後の2035年を舞台にした作品にも、名前を変えて登場します。

アルカードが1476年の悪魔城伝説で主人公の仲間として、約320年後の1797年の月下の夜想曲で主人公として、約240年後の2035年の暁月の円舞曲で名前を変えて登場することを示した図
ドラキュラの息子・アルカードが登場する時代

ゲームボーイアドバンスで、舞台は2035年の日本へ

2003年のゲームボーイアドバンス『Castlevania 暁月の円舞曲』の舞台は、2035年の日本です。皆既日食を見に神社へ向かった高校生・来須蒼真が、日食の中に封じられていた悪魔城へ引き込まれます。

1999年に完全に滅びたドラキュラは、魂だけが生まれ変わっていました。その生まれ変わりが、主人公の蒼真自身です。続編のDS『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』(2005年)は、その翌年の物語です。

この2作には、ベルモンド家の子孫、ファミコン『悪魔城伝説』で仲間になる魔法使いと同じ一族の末裔、そしてアルカード本人が登場します。1476年に並んだ顔ぶれの系譜が、約560年後の日本で再びそろっていました。

1476年の悪魔城伝説の主人公(ベルモンド家)、仲間の魔法使い、仲間のアルカードが、2035年の暁月の円舞曲ではベルモンド家の子孫、同じ魔法使いの一族の末裔、名前を変えたアルカード本人として再びそろうことを示した図
約560年後に、同じ顔ぶれがそろう

2003年に出た2作は、物語の「いちばん未来」と「いちばん過去」

2003年5月にゲームボーイアドバンス『Castlevania 暁月の円舞曲』(2035年)、11月にPS2『Castlevania』(1094年)が発売されました。

作中の年代で約940年離れた、物語のほぼ両端にあたる2作です。発売順の表で作中の年代は何度も大きく行き来していますが、その中でも最も大きな振れ幅です。

作中の年代の帯の上に、2003年11月発売のPS2『Castlevania』(1094年)と2003年5月発売のGBA『暁月の円舞曲』(2035年)を両端に示した図
同じ2003年に発売された、物語の両端

全20作のつながりを、1枚の年表にすると

ここまで紹介したのは、つながりのほんの一部です。20作品の主人公と主な登場人物たちの血縁のつながりをすべて1枚の年表に描くと、次のようになります。

情報量の多い図ですが、じっくり見ると、このシリーズの作品同士のつながりとスケールがいちばんよく分かります。

  • 上から下へ、作中の年代が進みます
  • 色の違う列は家系です(赤:ベルモンド家、金:その血を引く別の家、青:魔法使いの一族、紫:アルカード、緑:一族以外の主人公)
  • 線は血縁や、同じ人物の再登場を表します
悪魔城ドラキュラシリーズ全20作の主人公と主な登場人物を、作中の年代順と家系ごとの列で並べ、親子や子孫、同じ人物の再登場を線でつないだ全体図
全20作のつながり(画像をクリック・タップすると、別タブで原寸の画像が開きます)

全体図を別タブで開く(原寸)

興味深かったポイント

  • 左端の赤い列は、1094年から2036年まで途切れずに続いています。19世紀に入ると線が細くなる時代があります
  • 紫の点線(アルカード)は、ファミコン時代の作品から2035年の日本まで続いています
  • 青い線(魔法使いの一族)は、数百年離れた作品同士をつないでいます
  • 右端の列には、血筋でも登場人物でも、ほかのどの作品ともつながらない作品が1本だけあります。2001年のゲームボーイアドバンス『悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon』です

第1作の発売から40年目に出た最新作も、初代より約190年前の時代の物語でした。

作中年代の根拠と、資料によって異なる点

  • 作中の年代は、KONAMI公式のストーリー紹介と、かつての公式年表をもとにしたファンWikiの年表を参照しています。KONAMI公式のあらすじで年代を確認できるのは、悪魔城伝説(1476年)、闇の呪印(その3年後)、ベルモンドカース(1499年)、白夜の協奏曲(シモンが呪いを破った50年後)、Circle of the Moon(1830年)、黙示録(19世紀中期)、キンシー・モリスがドラキュラを倒した年(1897年、バンパイアキラーのあらすじ)、ギャラリー オブ ラビリンス(1944年)、暁月の円舞曲(2035年)です。
  • Wikipediaによると、公式年表は時期によって掲載作品が変わっており、現在の公式サイトには掲載されていません。ファンWikiの年表では、Circle of the Moon、黙示録、黙示録外伝を「年表に含まれない外伝作品」として分けています。
  • 漆黒たる前奏曲の作中年代は、現時点で確認できる資料では特定できていません。主人公ソニアが「ベルモンド家の名を後に残す先駆け」とされていることから、全体図では『悪魔城伝説』より前に置いています。
  • 奪われた刻印は「19世紀初頭にベルモンド一族の消息が途絶えた後」の物語です。Circle of the Moon(1830年)や黙示録(19世紀中期)との前後関係は確定していません。
  • 月下の夜想曲の1797年はファンWikiの年表によるものです。KONAMI公式のあらすじでは、血の輪廻の戦いから4年後の出来事とされています。
  • 『バンパイアキラー』は、発売当時「外伝」と位置付けられていた作品です。

この記事を書いた人
ハチゼロ

1980年生まれ。ビックリマン、カードダス、ミニ四駆、BB戦士、聖闘士星矢、魔神英雄伝ワタル、PCエンジンなど80年〜90年前半くらいのアニメ、おもちゃ、ゲームといったレトロなカルチャーが大好きなノスタルジスト。

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