子どもの頃にテレビで観ていたアニメが、最近また新しく作られています。
懐かしさ半分で新作を観たり調べたりしてみると、違っていたのは絵柄や声優だけではありませんでした。
たとえば『うる星やつら』は、全218話だった旧作に対して新作は全46話。『ダイの大冒険』は、46話で終わってしまった旧作に対して、新作は100話かけて原作の結末まで描き切っていました。
原作が当時どこまで進んでいたか。新作は何話で作るのか。そして、昔の作品から何を残すのか。比べていくうちに、そんな違いが見えてきました。
80〜90年代のアニメ12作品を、旧作と新作の映像で並べています。旧作の放送年順なので、懐かしい作品から見てみてください。
※『ドラゴンボール改』のような旧映像の再編集も、「旧作を別の形で届け直した例」として含めています。情報は2026年9月時点です。
12作品の新旧早見表
| 作品/旧作 → 新作 | 主な変化 |
|---|---|
| Dr.スランプ 1981 → 1997 | 243話の旧シリーズに対し、74話の新シリーズとして制作 |
| うる星やつら 1981 → 2022 | 218話の長期シリーズから、原作エピソードを選んだ46話へ |
| ハイスクール!奇面組 1985 → 2026 | キャストを一新し、時代感も令和へ |
| らんま1/2 1989 → 2024 | 第1話から新しく制作しつつ、主要キャストの多くが続投 |
| ドラゴンボールZ/改 1989 → 2009・2014 | 『Z』の映像をHDリマスター・再編集し、音声も再収録 |
| ダイの大冒険 1991 → 2020 | 46話で終了した旧版から、100話で原作の結末まで |
| 美少女戦士セーラームーン 1992 → 2014〜 | 90年代TV版ではなく、原作マンガを軸に再構成 |
| 魔法陣グルグル 1994・2000 → 2017 | 全24話で再び最初から原作最終章まで |
| 地獄先生ぬ〜べ〜 1996 → 2025 | 学校や子どもたちを現代へ。ぬ〜べ〜役は続投 |
| るろうに剣心 1996 → 2023 | 完結済みの原作をもとに、スタッフ・キャストを一新 |
| HUNTER×HUNTER 1999 → 2011 | TV62話+OVA30話から、TV148話で会長選挙編まで |
| 封神演義 1999 → 2018 | 連載中だった旧版から、完結後の原作を23話で再構成 |
関連記事:1980年代アニメ一覧・年表
Dr.スランプ
1981 → 1997
243話→74話、平成のうちに再アニメ化
旧版『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981)
リメイク版『ドクタースランプ』(1997)
ここが違った
- 旧作:『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981)は全243話
- 新作:『ドクタースランプ』(1997)は全74話の新シリーズ
- デザインやキャストも改めて制作
リメイクは最近の流れという印象がありますが、アラレちゃんはドラゴンボールの放送終了後に入れ替わる形で90年代後半でリメイクされてました。
うる星やつら
1981 → 2022
218話から46話へ、昭和の時代感はそのまま
旧版『うる星やつら』(1981)
リメイク版『うる星やつら』(2022)
ここが違った
- 旧作:1981年10月〜1986年3月、全218話
- 新作:原作から選んだエピソードを4クールで新たにアニメ化し、全46話で完結(公式発表)
- 舞台を令和に移さず、昭和の時代感を残している
218話を短くまとめ直したものかと思いきや、原作から描く話を選び直した、まったく別の構成でした。旧作の諸星あたるを演じた古川登志夫さんがリメイク版では「あたるの父」役を担当していて懐かしさと新しさが上手く融合されたリメイクと感じました。
※1981年版は初期に1回2本立ての回があり、放送回数では195回と数える資料もあります。本稿では制作会社ぴえろの公式表記「全218話」を採用しています。
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ハイスクール!奇面組
1985 → 2026
キャスト一新、舞台は令和へ
旧版『ハイスクール!奇面組』(1985)
リメイク版『ハイスクール!奇面組』(2026)
ここが違った
- 2026年版はキャストを一新
- 公式は「令和の時代感に沿った奇面組」と説明
- 旧アニメの主題歌「うしろゆびさされ組」はカバー版で登場
学校生活は令和に変わっても、あの主題歌はカバー版で流れます。昔とのつながりはしっかり残されていましたが、時代設定が現代なので昔を知る側としては観ていて違和感が少しありますね。昔と違ってパロディ要素が無いのも少し物足りないところです。
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らんま1/2
1989 → 2024
映像は新作、声は当時のまま
旧版『らんま1/2』(1989)
リメイク版『らんま1/2』(2024)
ここが違った
- 2024年版はMAPPAが第1話から新しく制作
- 早乙女乱馬役の山口勝平、らんま役の林原めぐみ、天道あかね役の日髙のり子らが続投
- 2026年9月時点で第3期は放送前。新作の最終的な原作範囲はまだ比較できない
新しい映像から、昔と同じ声が聞こえてくる。キャストを一新したほかのリメイクとは、ここが大きく違うところです。声の偉大さを実感できるリメイクです。昔の絵柄も好きですが、これは観ていて面白い!
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ドラゴンボールZ/改
1989 → 2009・2014
描き直さずに「作り直す」
旧版『ドラゴンボールZ』(1989)
リメイク版『ドラゴンボール改』(2009)
ここが違った
- 全編を新規作画したリメイクではない
- 全291話の『ドラゴンボールZ』を素材に、旧映像をHDリマスター・再編集し、音声も再収録
- 2009年版は全98話(東映アニメーション公式表記)。2014年からは魔人ブウ編も放送
新しく描き直すことだけが、旧作を届け直す方法ではない。見比べてみて、それがよくわかる作品でした。
そもそも旧ドラゴンボールZは引き伸ばしのために「風景だけで10分くらいあったんじゃないのか?」と思える回もよくありました。(当時はよくナメック星の風景を眺めさせられてましたね)
ダイの大冒険
1991 → 2020
46話で途切れた物語を、100話で結末まで
旧版『ダイの大冒険』(1991)
リメイク版『ダイの大冒険』(2020)
ここが違った
- 1991年版:原作連載中に全46話で終了
- 2020年版:旧版の続きではなく、第1話から作り直したアニメ
- 原作完結後の制作で、全100話を使って大魔王バーンとの決着まで描いた
ジャンプアニメらしく旧作は連載中(未完結)のアニメ化だったので話が追いつきアニメ版は変な独自エンドでしたが、リメイクは100話という話数で最後まで作ってくれた良リメイクでしたね。
美少女戦士セーラームーン
1992 → 2014〜
90年代版ではなく原作へ「原点回帰」
旧版『セーラームーン』(1992)
リメイク版『セーラームーン Crystal』(2014)
ここが違った
- 1992年からの旧アニメ:5シリーズ・全200話。原作にはない物語や独自の展開も加わった
- 2014年からの『Crystal』:90年代のテレビ版ではなく、原作マンガを軸に再構成。東映アニメーションも「原点回帰」と説明
- 『Eternal』『Cosmos』へ続き、原作の最終章まで映像化
セーラームーンの旧作は結構オリジナル回が多かったは知らなかったです。同じリメイクでも原作再現に切り替えるパターンもあるんですね。
魔法陣グルグル
1994・2000 → 2017
旧作より短い24話で最終章まで
旧版『魔法陣グルグル(1994)』
旧版『ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル(2000)』
リメイク版『魔法陣グルグル(2017)』
ここが違った
- 1994年版は全45話、2000年の『ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル』は全38話。どちらも原作の最後までは描いていない
- 2017年版は全24話で、最初から原作最終章まで描いた
旧作より話数は少ないのに、たどり着いた先はもっと遠い。調べていて一番「えっ」となった作品です。
地獄先生ぬ〜べ〜
1996 → 2025
5年3組は令和へ、先生の声は同じ
旧版『地獄先生ぬ〜べ〜』(1996)
リメイク版『地獄先生ぬ〜べ〜』(2025)
ここが違った
- 2025年版では、学校や5年3組の子どもたちの設定を現代に更新
- 公式インタビューでは、原作者・真倉翔自身が「令和のぬ〜べ〜を描いてほしい」と伝えたと語っている
- 鵺野鳴介役は旧作と同じ置鮎龍太郎
5年3組の日常は令和に移っても、先生の声は変わらない。その組み合わせが印象に残りました。
るろうに剣心
1996 → 2023
完結した原作から、スタッフ・キャスト一新で再スタート
旧版『るろうに剣心』(1996)
リメイク版『るろうに剣心』(2023)
ここが違った
- 1996年版:京都編のあと独自の物語へ進み、原作後半の人誅編には到達しなかった
- 2023年版:完結済みの原作をもとに、第1話から作り直し。スタッフ・キャストも一新
- 2026年9月時点で、第2期まで全47話が放送されている
これは絵柄もアニメーションも含めてリメイク版がかなり良いと感じます。旧作のときにはまだなかった原作の結末が今はそろっているので、ぜひこのクオリティで最後まで作ってほしいですね。
HUNTER×HUNTER
1999 → 2011
62話+OVAから、148話で会長選挙編まで
旧版『ハンターハンター(1998)』
OVA版『ハンターハンター(2002)』
リメイク版『ハンターハンター(2011)』
ここが違った
- 1999年の旧アニメ:テレビ全62話。その後はOVAへ移り、8話+8話+14話の計30話でグリードアイランド編まで
- 2011年版:再びテレビシリーズでハンター試験から始まり、全148話でキメラ=アント編、会長選挙編まで
原作はまだ終わっていなくても、旧作のあとに物語が大きく進んでいた。そのぶん、テレビで描ける範囲も一気に広げれたリメイクでした。
関連記事:ジャンプ黄金期アニメ全史|あの作品はテレビでどこまで描かれた?
封神演義
1999 → 2018
完結した原作を、23話で再構成
旧版『仙界伝 封神演義』(1999)
リメイク版『覇穹 封神演義』(2018)
ここが違った
- 1999年の『仙界伝 封神演義』:原作連載中に制作され、後半はアニメ独自の展開に
- 2018年の『覇穹 封神演義』:完結後の原作をもとに、仙界大戦を軸に全23話で再構成
原作が完結していれば全部描けるのかというと、そうとは限らないのがわかるリメイクでした。これはこれで原作を楽しんだ側としては良い作り方とも感じます。
12作品を比べてわかった、リメイクの5つの型
12作品を見終えて振り返ると、作り直し方にはいくつかの型がありました。
- 原作に戻って第1話から作り直す――Dr.スランプ、うる星やつら、セーラームーン、るろうに剣心、封神演義
- 旧版が届かなかった先へ進む――ダイの大冒険、魔法陣グルグル、HUNTER×HUNTER
- キャラクターが暮らす時代を入れ替える――奇面組、ぬ〜べ〜
- 旧版の要素を残す――うる星やつら(昭和の時代感)、らんま1/2(主要キャスト)
- 映像を描き直さず再構成する――ドラゴンボール改
※一つの作品が複数の型に当てはまる場合もあります。
違いを生んでいた3つの条件
では、なぜ作品ごとにこれほど作り方が違うのか。並べてみると、大きく3つの条件が関わっているように感じました。
| 条件 | 何が変わるのか | 分かりやすい作品 |
|---|---|---|
| 原作がどこまで進んでいるか | 旧版では存在しなかった物語を使える | ダイ、HUNTER×HUNTER、るろうに剣心 |
| 何話使えるか | 選ぶ話、進む速度、構成が変わる | うる星やつら、グルグル、封神演義 |
| 旧作から何を残し、何を変えるか | 声、曲、映像、作中の時代設定などの扱いが変わる | うる星やつら、らんま、ぬ〜べ〜、奇面組、ドラゴンボール改 |
① 原作がどこまで進んでいるか
当時のアニメは、原作の連載と並走していた作品が少なくありません。『ダイの大冒険』の1991年版は原作連載中に終わりましたが、2020年版の制作時には原作が完結しており、100話で結末まで描けました。『るろうに剣心』も、旧作が届かなかった人誅編を含む完結済みの原作から作り直されています。
一方、『HUNTER×HUNTER』は2011年版の時点でも原作は未完です。それでも旧作のあとに物語が進んでいたことで、テレビで描ける範囲が広がりました。原作が「完結しているか」だけでなく、「旧作のときより先へ進んでいるか」が効いていたわけです。
② 何話使えるか
『うる星やつら』は218話から46話へ。限られた話数のなかで、原作のどの話を描くかを選び直す構成になりました。
『魔法陣グルグル』は旧作より短い24話で原作最終章まで到達し、逆に『封神演義』は完結した原作があっても23話で仙界大戦を軸に再構成しています。話数が多ければ先まで描ける、というほど単純ではありませんでした。
③ 旧作から何を残し、何を変えるか
残すものも作品ごとに違います。『らんま1/2』と『ぬ〜べ〜』は声、『奇面組』は主題歌(カバー版)、『ドラゴンボール改』は映像そのもの。学園・日常ものでは、作中の時代をどうするかでも分かれていました。
学園・日常ものは、作中の時代も更新するのか?
『うる星やつら』『らんま1/2』は、原作当時の時代感や生活を基調とした新作です。それに対して『奇面組』『ぬ〜べ〜』は学校生活を現代へ移しています。同じ学園・日常ものでも、登場人物が暮らす時代まで更新するとは限らないようです。
| 作品 | 新作での時代の扱い |
|---|---|
| うる星やつら | 昭和の時代感を残す |
| らんま1/2 | 原作当時の生活・世界観を基調とする |
| 奇面組 | 令和の学校生活へ更新 |
| ぬ〜べ〜 | 学校や子どもたちの設定を現代へ更新 |
制作会社と放送枠も変わっていた
作品の中身から少し離れて、作った会社や放送された場所も比べてみました。
| 作品 | アニメ制作:旧版 → 新版 | 放送・配信の変化 |
|---|---|---|
| Dr.スランプ | 東映動画 → 東映アニメーション | フジテレビ 水19時 → 同じ水19時 |
| うる星やつら | ぴえろ/スタジオディーン → david production | フジテレビ → フジテレビ「ノイタミナ」深夜 |
| ハイスクール!奇面組 | スタジオコメット/スタジオぎゃろっぷ(制作協力) → アニメーションスタジオ・セブン | フジテレビ 土19:30 → 「ノイタミナ」金23:30 |
| らんま1/2 | スタジオディーン → MAPPA | フジテレビ → 日本テレビ深夜+Netflix |
| ドラゴンボールZ/改 | 東映動画 → 東映アニメーション | フジテレビ → フジテレビ |
| ダイの大冒険 | 東映動画 → 東映アニメーション | TBS系 → テレビ東京 土曜朝 |
| 美少女戦士セーラームーン | 東映動画 → 東映アニメーション | テレビ朝日 土19時 → ネット配信で開始、のち地上波 |
| 魔法陣グルグル | 日本アニメーション → Production I.G | テレビ朝日系 木19:30 → テレビ東京 深夜 |
| 地獄先生ぬ〜べ〜 | 東映動画 → スタジオKAI | テレビ朝日系 土19:30 → テレビ朝日系 水23:45 |
| るろうに剣心 | スタジオぎゃろっぷ/スタジオディーン → ライデンフィルム | フジテレビ → フジテレビ「ノイタミナ」深夜 |
| HUNTER×HUNTER | 日本アニメーション → マッドハウス | フジテレビ → 日本テレビ 日曜朝 |
| 封神演義 | スタジオディーン → C-Station | テレビ東京 → TOKYO MX・BS11・AT-X |
東映動画から現在の東映アニメーションへつながる作品もあれば、制作会社が変わった作品もあります。
放送枠も一様ではありません。旧作で目立った夕方・夜の枠に対し、新作は深夜や朝、ネット配信にも広がっています。懐かしい作品が、当時と同じ時間帯に戻ってくるとは限らないのです。
同じ作品なのに、こんなに違う
最初は、絵柄や声優がどう変わったのかが気になって新作を観ていました。ところが12作品を比べていくと、昔のアニメには、原作がまだ連載中だったことや、長くテレビ放送されていたことが、そのまま作品の形に残っていると気づきました。
数十年たって原作が完結していたり、使える話数が変わっていたり。昔の声や時代設定を残すかどうかも、作品ごとに違いました。
当時観ていたからこそ気づく変化もあれば、新しい版を調べて初めて知った旧作の特徴もあります。どちらが良いかを決めるより、同じ作品が時代を経てどう変わったのかを見比べてみる。リメイクには、そんな楽しみ方もあると感じました。
主な出典
- 『Dr.スランプ アラレちゃん』『ドクタースランプ』:東映アニメーション(1981年版)/東映アニメーション(1997年版)
- 『うる星やつら』:スタジオぴえろ(1981年版)/TVアニメ『うる星やつら』公式(2022年版)
- 『ハイスクール!奇面組』:ADKエモーションズ(1985年版)/2026年版公式 スタッフ&キャスト/2026年版公式 放送情報
- 『らんま1/2』:TVアニメ公式 スタッフ&キャスト/公式最新情報
- 『ドラゴンボール改』:東映アニメーション
- 『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』:東映アニメーション(1991年版)/東映アニメーション(2020年版)
- 『美少女戦士セーラームーン』:東映アニメーション『Crystal』/30周年プロジェクト公式『Cosmos』
- 『魔法陣グルグル』:日本アニメーション(1994年版)/テレビ東京(2017年版最終回)
- 『地獄先生ぬ〜べ〜』:東映アニメーション(1996年版)/2025年版公式 スタッフ&キャスト/2025年版公式 放送情報
- 『るろうに剣心』:アニプレックス(1996年版)/2023年版公式 あらすじ/2023年版公式 スタッフ・キャスト
- 『HUNTER×HUNTER』:日本アニメーション(1999年版・OVA)/日本テレビ(2011年版)
- 『覇穹 封神演義』:TVアニメ公式 第23話

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